大学生の競馬と古墳日誌

来年からは金貸しですわ

百舌鳥古墳群 第一回

 大阪に住んでいる私にとって馴染み深い古墳群であり、全国最大の大きさを誇る仁徳天皇陵(大仙陵古墳)を有する百舌鳥古墳群。最近は世界遺産候補地として名前の上がっている場所でもあり、全国でもとりわけ大型の前方後円墳が集まっている場所です。また、近くには同じく巨大古墳を有する古市古墳群があり全国的にもこの地域は古墳のメッカとして考古学の世界では知られています。

 私的ではありますが通っていた高校が百舌鳥古墳群の近くにあるために百舌鳥古墳群はとても馴染み深い場所です。それはともかく、根本的に古墳の事をあまりご存知ない方からする大阪の様な人口密集地にその様な大型古墳群を二つも有している事を話すと地元の大阪府民すら驚きます。多くの方のイメージとしては奈良や京都にその様な歴史的文化財は残っているのものと思いがちですが、それどころか奈良と比べても数も大きさも引けをとりませんし、京都と比べると間違いなく大阪の方が古墳の数は多いです。

 これには歴史的な理由が勿論存在します。あらゆる学説がある中であくまでも一般論としてお話していきたいと思います。一部の学者は奈良の大王家と別の大王家であると言う方もいますが出すときりがありません。ただ、今の我々が確実に地理的にまた経済的な合理性を考える上で奈良盆地から大阪平野に移ることは大いに意味のあることなのです。お察しの様に古代陸運には今の世に車もなければしっかりと整備された道もありませんし、現代人が思うよりも旅とは多くの危険と隣り合わせです。その点海運は陸に比べる比較的安全ですし、多くの物資を運ぶには船はもってこいです。とりわけ北九州と畿内を結ぶ瀬戸内海にすぐに出れる大阪は経済的にとても合理的な場所であったと考えられます。また、それだけでなく海外の使節を向える場合にも海岸沿いに古墳の様な巨大なものがある事でその国の権威の象徴としても重要な役割を果たすのです。

 今回からご紹介してます百舌鳥古墳群がある場所は大阪の堺市に位置し古墳以外にも文化的に大変興味深い場所です。古墳だけにとどまらずその様な地域的な歴史についても記載していきます。